Air Flow AW-TF7322R 静音送風の実力検証


目次

比較概要

日立 HEF-AL300E、日立 HEF-DL300Eと比較しながら、Air Flow AW-TF7322Rの使い勝手と風の質を見ていきます。まず大きな違いは設置スタイルで、AW-TF7322Rは縦の空間を活かすタワー型、日立の2機種はリビングで馴染みやすい据え置き扇風機という立ち位置です。部屋のどこに置くか、動線を邪魔しないか、家具との干渉はどうか──このあたりのリアルな住環境適合が選び心地を左右します。

風の当たり方も印象が分かれます。タワー型は面で撫でるように広げていくのが得意で、近〜中距離の体感が穏やか。据え置き扇風機は一点から大きく送って遠くまで届かせるのが得意で、直線的な抜けの良さが魅力です。首振りの軌道や風量の階調は、就寝時の微風から日中の強めの循環まで幅があるほど快適ゾーンを作りやすく、衣類乾燥や部屋干しの補助にも差が出ます。

操作面では、離れていても直感的に扱えるか、ボタン配置が見やすいか、ON/OFFやタイマーが手間なく使えるかが日々の満足度に直結します。音の印象は夜間運転で特に重要で、風切り音とモーター音のバランス、床・壁への反響の少なさが眠りの質を左右します。インテリアとの馴染みは、色味や質感、存在感の出方が鍵。AW-TF7322Rは省スペース性を活かして通路や壁際に寄せるレイアウトが組みやすく、日立の2機種は高さと角度調整の自由度でソファやデスク周りに風路を引き込みやすい傾向があります。

夏だけでなく冬の暖房補助としての循環でも違いが出やすいので、季節横断の使い方を想像しながら、あなたの部屋に合う一台を掘り下げていきます。

比較表

機種名 Air Flow AW-TF7322R 日立 HEF-AL300E 日立 HEF-DL300E
画像
タイプ タワーファン リビング扇風機 リビング扇風機
スタイル 据置き・円柱型 据置き 据置き
モーター種類 ACモーター ACモーター DCモーター
風量切替 3段階 4段階 6段階
首振り設定 左右自動 左右自動・手動上下 左右自動・手動上下
羽根枚数 なし(タワー型) 8枚 8枚
羽根径 非該当 30cm 30cm
リモコン あり あり あり
タイマー機能 切タイマー(1/2/4h) 切・入タイマー(1/2/4/6h) 切・入タイマー(1/2/4/6h)
リズム風 あり あり あり
おやすみ運転 あり あり あり
チャイルドロック なし なし なし
消臭・脱臭機能 なし なし なし
イオン発生機能 なし なし なし
冷却プレート なし なし なし
ミスト機能 なし なし なし
温度センサー なし なし なし
人感センサー なし なし なし
消費電力 27/29W 39/42W 21W
電源コード あり あり あり
コードレス対応 なし なし なし
サイズ(幅×奥行×高さ) 22×22×73cm 37.1×37.1×73.5~90cm 37.1×37.1×73.5~90cm
重量 約2.4kg 約3.9kg 約3.8kg
制御方式 マイコン式 メカ式 マイコン式
特徴 スリム設計・省スペース うちわ風・大ボタン操作 微風(うちわ風)・省電力

比較詳細

風の質と静音性の違い

Air Flow AW-TF7322Rを使い始めてまず感じたのは、風の質が非常に柔らかく、肌に当たる感覚が心地よいという点でした。タワー型らしく吹き出し口が縦方向に長く、体の上半身から足元までをまとめて撫でるように風が当たるので、「風を浴びている」というより「空気がゆっくり動いている」ような印象です。羽根の回転音も抑えられていて、夜間に稼働させても耳障りにならず、静けさの中で自然な空気の流れを感じられるのが大きな魅力です。

これに対して日立のHEF-AL300Eは風量の切り替えが細かく、直線的な風を送り出す印象が強く、部屋の隅まで届く力強さがあります。実際に使ってみると、短時間で空気を入れ替えたいときにはHEF-AL300Eの方が効率的に感じられましたが、長時間浴び続けると風の硬さが少し気になる場面もありました。弱風でも「一方向から当てている感」がしっかり出るので、好みが分かれるポイントだと感じます。

HEF-DL300EはDCモーターらしい滑らかな回転で、微風の質がとても良く、近距離で当てても「当たりの角」が立たない柔らかさが特徴です。冷房と併用してソファに座りながら使うと、肌にまとわりつくような湿気を軽く払ってくれる印象で、「ずっとつけっぱなしでも気にならない」というバランスの良い風になっています。

首振り・循環性能と体感温度

首振りについては、HEF-DL300Eの左右首振りの滑らかさが際立っていて、動作音も控えめで、部屋全体を均一に冷やす用途に向いています。空気の循環が効率的に進み、冷房との併用時には温度差が減るのを体感できました。HEF-AL300Eも直線的な強い風を大きく振ることで、短時間で部屋の空気を動かすことが得意です。

AW-TF7322Rも左右自動首振りを備えており、静音性に加えて風の広がり方が自然なので、室内の空気をやわらかく撹拌したいときに使いやすい印象です。吹き出し位置がやや高めで、内部ルーバーの向きを調整することで、風を天井寄りに当てて循環させる使い方もしやすく、部屋全体の温度を均一にする効果が実感できました。特に夏場の冷房時に、足元だけが冷えてしまう不快感を軽減できるのは、タワー型ならではの利点だと感じます。

個人的な体感としては、エアコンを27〜28℃設定にした状態でAW-TF7322Rの弱〜中風を首振りで回すと、設定温度を無理に下げなくても「ちょうどいい涼しさ」に収まりやすく、電気代を気にしながら使いたい場面でも心理的に安心して回し続けられました。

操作性とリモコンの使い勝手

操作性に関しても違いがありました。AW-TF7322Rは本体パネルがシンプルで、リモコンのボタン配置も直感的です。暗い部屋でも、指先の感覚でおおよその位置が分かるレイアウトになっていて、「あれ、どのボタンだっけ?」と迷ってしまう場面が少ないのが便利でした。就寝前にベッドに潜り込んだあと、手探りでタイマーや風量を切り替えてもストレスになりにくいのは、日々使っているとじわじわ効いてきます。

HEF-AL300Eは操作パネルが大きな物理ボタンで構成されており、離れて見ても何を押せばいいか分かりやすい反面、リモコンのクリック感がやや強めで、押し込む感覚がはっきりしています。しっかりした操作感が好きな人には向きますが、連続して何度も切り替えると、少し「押している感」を意識してしまう場面がありました。HEF-DL300Eは軽いタッチ感で、スムーズに切り替えられるのが好印象ですが、暗い環境ではボタンの位置が分かりづらい場面もあり、夜中に半分寝ぼけながら操作するときには好みが分かれそうです。

実際に夜間に使うことを考えると、AW-TF7322Rの「見なくても何となく分かる」操作性は、生活の中で小さなストレスを減らしてくれる要素になっていると感じました。正直、家電の操作でイライラしない、というだけでも満足度はかなり変わってきます。

風量の段階とシーン別の使い分け

風量の段階調整についても体感の差がありました。AW-TF7322Rは3段階切り替えですが、弱・中・強のメリハリがはっきりしていて、特に弱風の質が自然です。窓を開けて外気を入れながら弱風で回すと、「外の風が少し増幅されている」ようなニュアンスで、長時間付けっぱなしでも疲れにくいと感じました。中風にするとリビング全体に空気が回り始め、強風は「一気に汗を引かせる」ほどではないものの、タワー型としては十分な量感があります。

HEF-AL300Eは強風時の直進性が際立ち、短時間で汗を引かせたい場面に適していますが、弱風にするとやや「当たり方」が硬く感じられることがありました。風の粒が粗い、というと少し大げさですが、長時間当てっぱなしにしていると、肌が乾きやすい印象です。HEF-DL300Eは中間の風量がとても扱いやすく、日常的な「つけっぱなし用途」にちょうど良いバランスを持っていますが、極端に弱い風を求めると、最弱でもややしっかり風が来る場面もありました。

こうした違いは実際に使ってみるとかなり明確で、体感として「心地よさ」を重視するならAW-TF7322R、「効率的な送風」を求めるならHEF-AL300E、「バランス」を重視するならHEF-DL300Eという印象を持ちました。

デザイン・設置性と生活空間との相性

デザイン面でも生活空間に与える印象が異なります。AW-TF7322Rはコンパクトながらも安定感のある円柱フォルムで、床に置いたときの存在感が控えめでインテリアに馴染みやすいと感じました。玄関横やテレビボードの端、通路脇など「本来はあまり物を置きたくない場所」にもスッと収まり、動線を塞ぎにくいのが実用的です。実際、狭めの1LDKでも配置の自由度が高く、「どこに置こうか」と悩む時間があまり要りませんでした。

HEF-AL300Eは背が高く、部屋の中で視覚的に目立つため、広い空間で使うと頼もしさがありますが、6畳クラスの部屋では少し圧迫感を覚えることもありました。HEF-DL300Eは全体のシルエットがスリムで、家具の隙間にも置きやすく、配置の自由度が高いのが魅力です。ただ、どちらも「いかにも扇風機」という存在感はあるので、インテリア性よりも実用性を優先したデザインという印象が強めです。

実際にリビングや寝室で使い分けてみると、AW-TF7322Rはどの部屋でも違和感なく馴染み、日常的に使う上で自然に溶け込む存在になっていると感じます。「置いてある」感じが主張しすぎず、ふとしたときにリモコンでサッと動かせるので、季節の変わり目や梅雨時の部屋干しでも出番が多くなりました。

総合的に体験してみると、AW-TF7322Rは「風の質」と「静音性」において優れており、長時間の使用でも疲れを感じにくいのが大きな特徴でした。日立のHEF-AL300Eは「直進的な風」と「パワー」に強みがあり、短時間で涼しさを得たい場面に適しています。HEF-DL300Eは「循環性能」と「バランスの良さ」が光り、冷房との併用で部屋全体を快適に保つのに向いています。スペック表だけでは見えない違いが、生活のシーンごとにくっきりと表れる組み合わせだと感じました。

まとめ

最も心地よかったのはAir Flow AW-TF7322R。円柱型のタワー構造が部屋の隅でも邪魔せず、首振りで面として空気を動かす感覚が強いです。リモコンの反応も素直で、弱風でも空気が巡る「循環している実感」があり、寝室では控えめに、リビングでは中風以上で一気に体感温度が下がります。操作系はシンプル寄りですが、迷わず使えることがむしろ日常使いに向くポイントでした。「とりあえずこれをつけておけば大丈夫」という安心感がある一台です。

次点は日立 HEF-DL300E。DCモーターらしい微風の質が良く、夜間に近距離で当てても「当たりの角」が立たない柔らかさがあります。風量の刻みも細かく、表示や操作の分かりやすさで家族にも渡しやすいモデルです。ただ、床置きのリビング扇としては風の指向性がやや穏やかで、部屋全体の撹拌は首振り幅に頼る場面がありました。

三番手は日立 HEF-AL300E。ACモーターの軽快な回り方で、強風にするとスパッと涼しくなる即効性が魅力です。一方で弱風域では風の粒が少し粗く、長時間の当てっぱなしでは好みが分かれそうです。短時間で一気に汗を引かせたい「スポット使い」には非常に頼れる存在で、玄関や脱衣所など、ピンポイントで風が欲しい場所と相性が良いと感じました。

いずれも日常の「使い勝手」が差を生むモデルですが、総合ではAW-TF7322Rが最も活躍範囲が広く、置きやすさと空気の動き方のバランスに優れます。ベストチョイスはAir Flow AW-TF7322R。部屋のレイアウトを選ばず、循環と涼感の両立がしやすい一本としておすすめできます。

引用

https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/fan/item/HEF-DL300E/manual.html

https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/fan/item/HEF-AL300E/manual.html

https://aflow.co.jp/products.html

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