目次
概要
800-LED079と800-LED080。二つの定番機を土台に、サンワサプライ 800-LED097が机上の光体験をどう整えるのか、その輪郭を掴みにいきます。明るさの数値だけでは語り尽くせない差は、手元の見え方、紙と画面のコントラスト、影の出方、そして長時間の作業後に残る目の感覚に現れます。可動域や設置自由度、スイッチの触感、調整の直感性といった操作まわりも、日々の使い勝手を左右するポイントです。さらに、スタンドとしての佇まいとデスク上の占有感、電源や配線の取り回し、周囲のインテリアとの馴染み方まで含めて、総合的な心地よさを見ます。
今回は、紙の校正、ディスプレイ前のタイピング、細かな工作や趣味の作業など、具体的なシーンを想定しながら、三機種の光がどのように役割を分け合うのかを描写します。単純な上下優劣ではなく、用途と環境に応じた最適の立ち位置を整理し、机に向かう時間を支える一本を見極めるための指針を提示します。カタログに並ぶスペックの差を、実際に机に向かったときの「見え方」と「疲れ方」に落とし込み、読者の手元に置き換えやすい言葉で立体的に伝えていきます。
比較表
| 機種名 | サンワサプライ 800-LED097 | サンワサプライ 800-LED079 | サンワサプライ 800-LED080 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 光源 | LED(3灯) | LED | LED |
| 最大光束 | 700ルーメン | 1700ルーメン | 1100ルーメン |
| 調光 | 4段階 | 5段階 | 5段階 |
| 調色 | 4段階(電球色・温白色・白色・昼白色) | 5段階(電球色・温白色・中間色・白色・昼白色) | 5段階(電球色・温白色・中間色・白色・昼白色) |
| 色温度範囲 | 約3000〜5500K | 約3000〜6500K | 約3000〜6500K |
| アーム構造 | 4関節アーム | 多関節アーム | フレキシブルアーム |
| 設置方式 | クランプ固定 | クランプ固定 | クランプ固定 |
| 本体サイズ | 約W54×D38×H1430mm | 約W95×D3.57×H87.2cm | 約W80×D5×H86.5cm |
| 本体重量 | 約1kg | 約930g | 約1kg |
| 操作方式 | タッチセンサー式 | タッチセンサー式 | 手かざしセンサー+タッチ式 |
| 電源方式 | AC(ACアダプタ24V/0.63A) | AC(ACアダプタ24V/1A) | AC(ACアダプタ24V/1A) |
| 照射範囲の特徴 | 広範囲をムラなく照射 | ワイドに机全体を照射 | 横方向に広いワイド照射 |
| 可動性 | 4関節で高い可動性 | 多関節で高い可動性 | フレキシブルに角度調整 |
| 用途カテゴリ | クランプ式デスクライト | クランプ式デスクライト | クランプ式デスクライト |
| 消費電力 | 約15W | 約22W | 約24W |
| ヘッド可動 | 可動 | 可動 | 可動 |
比較詳細
800-LED097の使用感と作業シーン
サンワサプライのクランプ固定式デスクライト800-LED097を実際に使ってみると、まず光の広がり方が非常に自然で、机全体を包み込むような柔らかさを感じました。従来の800-LED079では光がやや直線的で、集中して照らす印象が強く、長時間の読書や作業では目に負担が残ることがありましたが、097は光の拡散が滑らかで、視界全体が均一に明るくなるため、文字を追うときのストレスが軽減されます。800-LED080と比べると、097は調光・調色のステップが素直で、シーンごとの切り替えがわかりやすく、「今ちょうどいい」と感じる明るさと色合いに合わせやすい印象でした。夜のリラックスタイムには暖色寄りに切り替えることで、手元だけが浮き上がらず、周囲の空気ごとじんわりと落ち着かせてくれます。
操作性に関しても097はタッチ式のレスポンスが軽快で、指先で軽く触れるだけでスムーズに切り替えができる点が印象的でした。079はタッチスイッチ中心で確実さはあるものの、切り替えの際に「押した」という感触がしっかり出るタイプで、作業の流れを一瞬中断させる場面があります。集中しているときに明るさを微調整したいとき、そのわずかな引っ掛かりが気になる瞬間もありました。080はタッチ操作に加えて手かざしセンサーを備えていて便利ではあるものの、センサー位置に手を持っていくひと手間があり、連続で操作すると一瞬遅れを感じることがありました。097ではスイッチが手元の自然な位置にあり、触れた瞬間に意図通り反応してくれるので、光を「操作している」というより、視界の違和感を修正する感覚で使えるのが心地よく、まるで自分の意識に合わせて光が変化していくような一体感を覚えました。
アームの可動域も097は広く、4関節アームのおかげで上下左右に自在に動かせるため、作業環境に合わせて光の方向を細かく調整できます。079も多関節構造で可動性は高いのですが、LEDバーの幅が約95cmと長いため、机の端に寄せたときは光が広がりすぎて「ここだけを照らしたい」というシーンでは少し持て余すことがありました。080はフレキシブルアームでヘッドをぐいっと曲げられる反面、アーム長が短めなので、モニターの奥など、少し離れた位置に狙って光を当てたいときには届き方に制限を感じることがあります。097はアーム長が十分にありつつ、ベースがクランプ固定で場所を取らないので、資料を広げたり、パソコンとノートを同時に使う場面でも光を的確に当てられ、作業効率が自然と高まります。
光の質感に関しては、097はちらつきが極めて少なく、長時間使用しても目の疲れが軽減される点が大きな魅力です。079では最大光量にすると「しっかり明るい」一方で、紙の白さがぐっと前に出てくる印象があり、細かい文字を長時間追っていると、意識せずとも目が頑張っている感覚が残りました。080は1100ルーメンの明るさを持ちながら、手かざしでさっとオンオフできる気軽さがあるものの、デスク全面を明るくしようと光量を上げると、モニターとのコントラストが強く出るシーンもあります。097は最大700ルーメンと控えめに見える数値ですが、光の広がりと色の乗せ方がバランス良く、明るさを上げても光が柔らかく、紙面の質感を自然に保ちながら視認性を高めてくれるため、読書や資料確認が快適に続けられます。
デザイン面でも097はシンプルでありながら洗練されていて、細いアームとコンパクトなヘッドが視界を圧迫しません。机の上に置いたときの存在感が程よく、作業空間に調和します。079はバー幅が約95cmあるワイドタイプで、その分「照明がどんと構えている」印象が強く、デスク環境を一気に明るくしたい人には頼もしいものの、コンパクトなデスクではややオーバースペックに感じる場面もありました。080は80cm幅でややコンパクトになりつつ、フレキシブルアームで自由にくねらせられる楽しさがありますが、横方向へ広く照らす性格が強く、ライト自体の存在が視界に入りやすいこともあります。097は見た目と使い心地が一致していて、置くだけで空間が整うような感覚があり、日常の作業に自然と溶け込みます。
800-LED079・800-LED080の得意なシーン
800-LED079は、なんといっても最大約1700ルーメンの明るさと、約95cmのワイドなLEDバーが魅力です。デュアルモニター環境や幅広のデスクで、手元から奥行き方向まで一気に明るくしたいときにとても頼れます。実際に、資料を横にずらっと並べてレビューするときや、キーボード・ペンタブレット・ノートを同時に広げるような作業では、「とりあえず079を点けておけば暗いところがない」という安心感がありました。その一方で、明るさを高めに設定したまま細かい文字を長時間読むと、紙の白さが少し主張してくるので、個人的には一段階だけ落とした明るさと暖色寄りの色で使うのがしっくり来ました。ワイドに照らす代わりに、光を「絞って使う」感覚はあまり得意ではないので、部屋の主照明を補うサブライトというより、デスク周辺をまとめて照らすエリアライト的な役割が似合うモデルです。
800-LED080は、最大1100ルーメンで横方向に広がるワイド照射と、手かざしセンサーの組み合わせが特徴です。作業中にキーボードから手を離さず、ちょっと手をかざすだけでオンオフできるので、「今日はもう作業を終わりにしよう」と思ったときにパッと消せるのが地味に便利でした。フレキシブルアームのおかげで、モニター上部から手前に向けて光を落としたり、壁をなめるように照らして間接照明っぽく使ったりと、光の当て方を試す楽しさがあります。ただ、アームが短めでヘッドの位置が机の近くにあるため、ライトの存在感は常にそれなりに感じます。限られたスペースでサッと位置を変えながら使いたい人や、こまめにオンオフする習慣がある人には、080の機動力が心強いと感じました。
三機種を行き来しながら使っていると、「机全体をがっつり照らしたい日は079」「作業スペースを柔らかく整えたい日は097」「短時間の作業や一時的な明かりが欲しいときは080」と、自然と使い分けるようになりました。特に097は、他の二機種と比べて光のまとまり方が穏やかなので、長時間の作業が続く日ほど手が伸びる割合が高くなります。逆に、部屋自体が少し暗めで、デスク周辺だけでも一気に明るくしたいときは079、ソファ横や作業台に一時的にクランプして使いたいときには080、といった形で、それぞれの個性がきれいに分かれている印象でした。
実際に使ってみて最も強く感じたのは、097が「光を浴びる心地よさ」を提供してくれる点です。079や080では「照らされている」という感覚が前面に出てしまい、作業を支える道具としての役割が中心でしたが、097は光そのものが快適さを演出し、作業を楽しませてくれる存在になっています。例えば夜に静かに本を読むとき、097の暖色系の光に包まれると、まるで小さな読書空間が生まれたような安心感があり、時間を忘れて没頭できました。昼間に寒色寄りに切り替えると、集中力が高まり、パソコン作業もはかどり、光が生活のリズムを整えてくれるように感じました。「少し暗くなってきたな」と思ったタイミングで、タッチ一つでスッと視界が整い、そのまま作業のモードを切り替えられるのは、数字には出ない快適さです。
総じて097は、スペック上の進化だけでなく、実際に使ったときの体感が大きく変わるモデルだと実感しました。光の質、操作性、可動域、デザインのすべてが調和し、机上で過ごす時間をより快適で豊かなものにしてくれます。079や080と比べて明確に感じられる差があり、単なる照明器具ではなく「生活を支える光」としての価値を持っていると強く思いました。作業の効率を高めたい人にも、リラックスした時間を楽しみたい人にも、097はその両方を満たしてくれる存在であり、日常の中で光を選ぶ楽しさを教えてくれる一台です。
まとめ
最も良かったのは800-LED097(評価:4.5/5)。ベースの据わりがよく、4関節アームの動きは落ち着いていて、狙った位置に光をそっと落とす感覚が好ましい。手元に近づけると紙の目がざらつかず、ディスプレイ面の反射も暴れない。調整の一手ごとに「ここで止めたい」に素直に応じる穏やかな操作感があり、夜更けの作業を支える灯として信頼できます。
次点は800-LED079(評価:4.2/5)。約95cmのワイドなバーと最大1700ルーメンの配光で机上の空気ごと明るくなる印象。作業面を一気に払うように照らしたいときに頼れる一方、光量を上げると紙の白がやや主張し、長時間の細かい作業では少し抑えた設定が心地よかったです。広い天板やデュアルモニター環境との相性がよく、「デスク周りをまとめて明るくしたい」ときに真価を発揮します。
3番手は800-LED080(評価:3.9/5)。軽快で取り回しやすく、手かざしセンサーで必要な明るさをすばやく呼び出せるのが魅力です。フレキシブルアームでピンポイントに光を送り込めますが、光のエッジが場面によっては硬く感じることもあり、長時間の細かい読書というより「短時間の集中作業」や「一時的なスポットライト」に向くキャラクターだと感じました。コンパクトさと俊敏さが魅力で、限られたスペースでの機動的な使い回しに向きます。
総じて、作業の質を安定させるなら800-LED097がベストチョイス。静かな集中を長く保ちたい人にすすめたい一本です。広く均一に整えたいなら800-LED079、俊敏な配置替えや手早いオンオフが多いなら800-LED080という選び分けがしっくり来ました。デスクの広さや作業スタイルに合わせて、この三機種のどれを「自分の定番」とするかを考えるだけでも、机に向かう時間の質が一段階上がるはずです。
引用
https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/800-LED097
https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/800-LED079
https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/800-LED080
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