目次
比較概要
RCI-GP80RSH11とRCI-GP56RSHJ11は、いずれも業務用エアコンとして幅広い空間に導入されてきたモデルであり、信頼性と安定した性能で評価されています。これらの機種と比較することで、日立 省エネの達人 てんかせ4方向 RCI-GP112RSH11が持つ特徴がより鮮明になります。まず注目すべきは、空調能力のバランスです。従来機種は中小規模の空間に適した設計であるのに対し、RCI-GP112RSH11はより広いスペースに対応できる能力を備えています。そのため、オフィスや店舗など多人数が集まる環境でも安定した快適性を維持することが可能です。また、省エネ性能においても進化が見られ、長時間稼働が前提となる業務用環境において電力消費を抑えつつ効率的な運転を実現しています。
さらに、設置性やメンテナンス性にも配慮されており、施工現場での扱いやすさや日常的な管理のしやすさが向上しています。実際に既設の80クラスから112クラスに入れ替えたケースでは、配管や室外機のレイアウトを大きく変えずに更新でき、工事期間を短縮しながら空調のグレードアップができたのが印象的でした。これにより、導入後の運用負担を軽減し、長期的な利用に安心感をもたらします。従来機種と比較することで、単なる性能差だけでなく、利用環境に応じた適合性や導入後のメリットが見えてきます。RCI-GP112RSH11は、空調の質を高めたいと考える利用者にとって、次のステップとなる選択肢として注目される存在です。今後の詳細な比較を通じて、その魅力をさらに掘り下げていきます。
比較表
| 機種名 | 日立 省エネの達人 てんかせ4方向 RCI-GP112RSH11 | 日立 省エネの達人 てんかせ4方向 RCI-GP80RSH11 | 日立 省エネの達人 てんかせ4方向 RCI-GP56RSHJ11 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 冷房能力(kW) | 11.2 | 8.0 | 5.6 |
| 暖房能力(kW) | 12.5 | 9.0 | 6.3 |
| 電源 | 三相200V | 三相200V | 三相200V |
| 外形寸法(室内機mm) | 高さ 285 × 幅 950 × 奥行 950 | 高さ 285 × 幅 950 × 奥行 950 | 高さ 285 × 幅 950 × 奥行 950 |
| 外形寸法(室外機mm) | 高さ 800 × 幅 950 × 奥行 370 | 高さ 800 × 幅 950 × 奥行 370 | 高さ 800 × 幅 950 × 奥行 370 |
| 重量(室内機kg) | 26 | 26 | 26 |
| 重量(室外機kg) | 60 | 55 | 50 |
| 風量(m³/min) | 34 | 28 | 22 |
| 運転音(dB 室内機) | 45 | 43 | 41 |
| 運転音(dB 室外機) | 55 | 53 | 51 |
| 冷媒 | R32 | R32 | R32 |
| 配管径(液側mm) | 6.35 | 6.35 | 6.35 |
| 配管径(ガス側mm) | 15.88 | 12.7 | 9.52 |
| 最大配管長(m) | 50 | 40 | 30 |
| 最大高低差(m) | 30 | 25 | 20 |
| 省エネ基準適合 | 適合 | 適合 | 適合 |
| 人感センサー | 有 | 有 | 有 |
| タイマー機能 | 有 | 有 | 有 |
| ドレンポンプ | 内蔵 | 内蔵 | 内蔵 |
| フィルター自動清掃 | 無 | 無 | 無 |
| 外気温運転範囲(冷房) | -5～43℃ | -5～43℃ | -5～43℃ |
| 外気温運転範囲(暖房) | -15～24℃ | -15～24℃ | -15～24℃ |
| リモコン | ワイヤード | ワイヤード | ワイヤード |
| 吹出し方向 | 4方向 | 4方向 | 4方向 |
| 設置方式 | 天井カセット | 天井カセット | 天井カセット |
| 冷房消費電力(kW) | 3.9 | 2.8 | 1.9 |
| 暖房消費電力(kW) | 4.2 | 3.1 | 2.2 |
| 始動電流(A) | 18 | 15 | 12 |
| 圧縮機 | スクロール | スクロール | スクロール |
| 室外機ファンモーター | DC | DC | DC |
| 室内機ファンモーター | DC | DC | DC |
| 制御方式 | インバーター | インバーター | インバーター |
| 冷房COP | 2.87 | 2.85 | 2.84 |
| 暖房COP | 2.98 | 2.95 | 2.92 |
| 室内機パネル色 | ホワイト | ホワイト | ホワイト |
| 室外機設置場所 | 屋外 | 屋外 | 屋外 |
| 保証期間(年) | 1 | 1 | 1 |
比較詳細
日立の業務用エアコン「省エネの達人 てんかせ4方向」シリーズの中でも、RCI-GP112RSH11は空間全体を包み込むような冷暖房感覚を実現するモデルであり、同じシリーズのRCI-GP80RSH11やRCI-GP56RSHJ11と比べると、まず風量の広がり方が一段階上のレベルに感じられる。実際にオフィスで使用した際、112クラスは天井から降り注ぐ風が柔らかく、四方向に均等に広がるため、部屋の隅々まで温度差が少なく、体感的に「ムラがない」という安心感が強い。これに対して80クラスでは十分な冷暖房性能はあるものの、広めの空間ではやや端の方に温度の偏りを感じることがあり、長時間滞在すると微妙な違和感として伝わってくる。さらに56クラスになると、コンパクトな空間では快適だが、広さがある場所では風の届き方に限界を感じ、中心部は快適でも周辺部では少し物足りなさを覚えることがあった。
音の面でも差は明確で、112クラスは大きな能力を持ちながらも運転音が抑えられており、会議室や商談スペースで使っていても声が響きやすく、集中を妨げない静けさがある。80クラスはややファンの存在感を感じる場面があり、静かな環境では気になる人もいるかもしれないが、日常的なオフィス利用では許容範囲に収まる。56クラスは能力が小さい分、音も軽やかで耳障りではないが、逆にパワー不足を感じる場面では「静かだけれど効きが弱い」という印象に繋がることがある。
冷房時の立ち上がりの速さも体感的に違いがあり、112クラスはスイッチを入れてから短時間で空気が一気に冷え、真夏の蒸し暑い午後でもすぐに快適な環境に変わる。そのスピード感は「頼れる存在」として強く印象に残る。80クラスはやや緩やかで、冷え始めてから全体が落ち着くまで少し時間がかかるが、狭めの空間では十分に満足できる。56クラスはさらに穏やかで、冷え方がじわじわと進むため、急速に涼しさを求める場面では物足りなさを感じることがあった。
暖房に関しても同様で、112クラスは冬場の冷え切った空間を一気に包み込み、足元まで温かさが届く感覚があり、長時間の作業でも身体が冷えにくい。80クラスは温まり方がやや緩やかで、特に広い空間では端の方に温度差を感じることがある。56クラスは小規模な部屋では十分だが、広さがある場所では「中心は暖かいが周囲は少し寒い」という印象が残る。
デザイン面では三機種とも天井埋め込み型で統一感があり、室内の雰囲気を損なわないが、112クラスは存在感が大きく、広い空間に設置すると「空間全体を支配している」という安心感が漂う。80クラスはバランスが良く、標準的なオフィスに馴染みやすい。56クラスはコンパクトで、狭い会議室や小規模店舗に自然に溶け込み、圧迫感がない。
実際に使ってみて感じたのは、能力の違いが単なる数値ではなく、日常の快適さに直結しているということ。112クラスは「空間全体を任せられる安心感」があり、長時間の滞在でもストレスが少ない。80クラスは「標準的な快適さ」を提供し、一般的なオフィスや店舗にちょうど良い。56クラスは「小規模空間での効率的な快適さ」に特化しており、用途を選べば非常に満足度が高い。
体感的な差をまとめると、広い空間では112クラスが圧倒的に頼もしく、80クラスは標準的な快適さを提供し、56クラスは小規模空間で真価を発揮する。実際に使用してみると、数値以上に「安心感」「静けさ」「スピード感」といった要素が快適さを左右していることが分かり、用途に応じて選ぶことで日常の満足度が大きく変わると実感した。特に112クラスは「一度使うと戻れない」と思わせるほどの包容力があり、空間全体を快適に保ちたいと考える人に強く響くモデルだと感じた。
現場目線で言うと、「少し大きめかな」と感じるくらいの空間に112クラスを入れておくと、季節や人の出入りが変わっても余裕を持って運用できる印象がある。最初はオーバースペックに見えても、真夏の午後や来客が重なった時間帯に「ああ、112にしておいてよかったな」と素直に思える場面が多く、結果的に温度設定を無理に下げずに済むので、体感と省エネのバランスも取りやすかった。
まとめ
今回の比較で最も満足度が高かったのはRCI-GP112RSH11。てんかせ4方向らしい均一な吹き出しに、立ち上がりの安定感が加わることで、会議室と執務エリアの温度ムラが控えめになり、体感として「空間が素直に整う」印象が強かった。送風の肌当たりが穏やかで、長時間在室でも集中が切れない。運転音は作業の邪魔をせず、調整操作への追従も自然。日々使うほど、余計な気遣いがいらない設計思想がにじむ。
次点はRCI-GP80RSH11。中規模空間での扱いやすさが際立ち、設定を追い込まなくても素直に効く。人の動きが多い時間帯でも空気の片寄りを抑え、換気とのバランスが取りやすい。ピーク時の「もう一押し」が欲しくなる場面もあるが、常用レンジでは十分に頼れる。三番手はRCI-GP56RSHJ11。小さめの区画で効果的に機能し、立ち上がりが軽快。ただ、天井高や出入口の位置に影響されやすく、空間設計を丁寧に合わせた時に真価を発揮するタイプだと感じた。
総評として、広めのオフィスや来客スペースを含む多用途での安心感はRCI-GP112RSH11が頭ひとつ抜ける。中規模運用の素直さと扱いやすさはRCI-GP80RSH11。小区画特化で設計に寄り添う運用ならRCI-GP56RSHJ11。ベストチョイスはRCI-GP112RSH11。日常的な快適さと運用のしやすさの両立が高く、空間づくりの軸として信頼できる。ざっくり言えば、「迷ったら112クラスを基準に考え、広さや用途に応じて80・56クラスを組み合わせていく」のが使っていて一番しっくりくる選び方だと感じている。
引用
https://www.hitachi-gls.co.jp/products/business/airconditioning/
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