あさひ オフィスプレスe-Qの実力を徹底検証


目次

概要

パナソニック ビビ・DX BE-FD633、ヤマハ PAS CITY-Cと並べて見ると、あさひ オフィスプレスe-Qは「毎日の移動を軽やかに、でも仕事道具として抜かりなく」という立ち位置がはっきり見えてきます。街に溶け込む落ち着いた佇まいは通勤にも外出にも合わせやすく、乗り始めから違和感の少ない素直なアシストフィールが日々の距離を確実に縮めます。一方で、積載や取り回しの考え方には各機種で性格の違いがあり、買い物や荷物の扱い、駐輪環境への適応は選びの重要なポイントになります。信号の多い都心部ではストップ&ゴーの滑らかさ、坂道では脚の負担の少なさ、雨の日には視認性や扱いやすさが効いてきます。フレームの雰囲気やポジションの作りは、ゆったりとした快適志向か、キビキビした街乗り志向かで響き方が変わるでしょう。日常で手に触れる場面——鍵をかける、荷物を載せる、狭い駐輪スペースで向きを変える——その細部で、使い勝手の差が確かに積み重なります。ここから先は、通勤の質を上げたい人、生活導線に馴染む一台を求める人に向けて、乗り味・利便性・デザインの三つの軸で違いを丁寧に捉え、あなたの毎日に最もフィットする選択肢を見つけるための視点を具体的に掘り下げていきます。数字だけでは見えない「朝の一呼吸」の違いも、実際に使うイメージを重ねながら書いていくので、「自分ならどこを走るか」を思い浮かべながら読んでもらえると、よりフィット感がつかみやすいはずです。

比較表

機種名 あさひ オフィスプレスe-Q パナソニック ビビ・DX BE-FD633 ヤマハ PAS CITY-C
画像
タイヤサイズ 700×38C(700C) 26×1 3/8 WO(26インチ) 20×1.75 HE(20インチ)
変速段数 外装7段 内装3段 内装3段
バッテリー容量 36V×9.8Ah(約352.8Wh) 25.2V×16Ah(約404Wh) 25.2V×15.8Ah
バッテリー電圧 36V 25.2V 25.2V
充電時間 約5〜6時間 約5.0時間 約4.5時間
一充電走行距離(エコ/ロング系) 約100km(エコ) 約107km(ロング) 約107km(オートエコ)
一充電走行距離(標準系) 約65km(標準) 約70km(オートマチック) 約73km(スマートパワー)
一充電走行距離(パワー系) 約55km(パワー) 約59km(パワー) 約62km(強)
車体重量 約23.5kg 約27.7kg 約21.0kg
全長 1850mm 1875mm 1535mm
全幅 570mm 580mm 580mm
サドル高さ 790〜1005mm 740〜890mm 715〜865mm
適応身長 160cm以上 141cm以上 140cm以上
補助速度範囲 24km/h未満 24km/h未満 24km/h未満
モーター形式 クランク軸ダイレクトドライブモーター 直流ブラシレスモーター 250W ブラシレスDCモーター 240W
ブレーキ 前後メカニカルディスクブレーキ 前:リムブレーキ/後:ローラーブレーキ 前:リムブレーキ/後:ローラーブレーキ
スタンド 片足サイドスタンド 両立スタンド 片足サイドスタンド
リアキャリア リアキャリアなし クラス27リアキャリア標準装備 リアキャリアなし(フロントキャリア台付き)
ライト カゴ下センターマウントLEDライト 足も灯4-LEDビームランプ2 砲弾型バッテリーランプ
ディスプレイ/スイッチ USBポート付きスイッチパネル 液晶スイッチ5 スマートクロックスイッチ

比較詳細

あさひのオフィスプレスe-Qは、朝の通勤の雑踏や信号間の短いスプリントで真価を発揮する設計だと感じた。700C×38Cタイヤと細身のフレームを組み合わせた安定志向で、直進時の落ち着きが強く、ゆるい段差で車体が不要に跳ねない。アシストの立ち上がりは過度に鋭くなく、足を出した瞬間から滑らかに粘るタイプで、濡れた路面でも怖さが込み上げない。メカニカルディスクブレーキのタッチは軽く、レバーをほんの少し引いただけでも速度調整がきれいに決まるので、混み合う交差点での減速と再加速がリズムよく続く。ハンドル周りは視認性優先で、走行中に残量やモードが一目でわかり、暗い時間帯でも焦らず操作できた。ビジネスバッグを前カゴやリアに積む場面でも、フレームの剛性が荷重に負けず、ふらつきが起きにくい。総じて「一日の最初の10分を整えてくれる」ような乗り味で、仕事前の心拍を過剰に上げないのが好ましい。長距離連続走行では、アシストが引っ張りすぎずペダルとの協調が保たれるため、脚の局所的な疲労が溜まりにくいのも通勤特化らしい美点だと感じた。音についてはモーターの存在を過度に主張せず、朝の静けさを崩さないレベルで控えめ。雨天のブレーキングと水切れは期待通りで、フェンダーの仕事がきちんとしている印象。唯一、急な勾配を上る場面では、立ちこぎよりも座ったままケイデンスをキープするほうがトルクのつながりが良く、モードを一段上げると息が合う。充電はエコ寄りの使い方なら週1〜2回程度で回せるイメージで、一晩置けば十分な実用範囲に戻り、週の中盤での追加充電が習慣になるくらいの距離感だ。車体重量は軽量級ではないが、直進安定と荷物積載を考えると納得感がある。メンテナンスは基本的に店に任せれば良いが、日々の取り回しや施錠の導線まで含めて、通勤者の生活リズムに合わせた実用品という印象が強い。私はスーツでの通勤日に乗ることが多いが、裾の汚れや汗ばみが減り、着座姿勢のバランスも保たれるため、電車へ乗り換えるよりも気持ちが軽くなった。「今日は少し早く着きたいな」という朝ほど、この一台のありがたみを強く実感する。

パナソニックのビビ・DX BE-FD633は、生活導線に馴染む王道の乗り味が魅力だ。重心は低めで、スタンドを立てたり駐輪場で引き回したりする動作が楽に片付く。アシストは力感の出方が素直で、「こぎ始めに背中を押される」感覚がわかりやすい。日々の買い物や子どもの送迎に使う人が好む、肩の力が抜ける挙動を備えている。加速は過度に鋭くなく、平坦路ではペダル圧に比例して速度が伸び、長めの緩い坂でも息が乱れにくい。ブレーキは街乗りに合わせた安心感重視の味付けで、レバーをじわっと握っていけば綺麗に止まる。シートは厚みがあり、短時間の移動では座面の当たりが柔らかく、体を「受け止める」方向に働く。カゴやテールキャリアの実容量が日常目線で優秀で、スーパーの袋を詰め込み、曲がり角でふらつかずに運べる。この「荷物と人の両方に優しい」あり方は、通勤だけでなく生活すべてに裾野が広い。一方で、出発から信号までが短い都心型の通勤では、立ち上がりの穏やかさが好み次第で「もう一息」になるかもしれない。坂の多いルートではモードを上げれば十分に対応でき、息の合い方は癖がなく掴みやすい。車体の静粛性は良好で、早朝の住宅街でも存在感が控えめ。総合的には「毎日を丸ごと支える」安心感と快適さが抜群で、通勤以外の用事をそのまま引き受けてくれる包容力が買いだ。私の体感では、雨上がりの舗装でのマナーが非常に良く、ブレーキの癖やアシストの出方をすぐに忘れて自然体に戻れる。休日にまとめ買いをした帰り道、レジ袋をいくつもぶら下げていても、ビビ・DXなら「まあ大丈夫か」と思わせてくれる落ち着きがある。

ヤマハのPAS CITY-Cは、軽快でコンパクトな操縦感が個性の中心にある。20インチタイヤと短い全長によって、ハンドルの入りが俊敏で、取り回しが驚くほど身軽だ。狭い路地や駐輪場の出し入れで「身体の延長」みたいに反応する。アシストはキレと粘りのバランスがよく、信号からのスタートで気持ちよく伸びる。こぎ出しの一拍目から前に出るので、短い区間の加減速が多いルートでストレスが減る。座り心地はフラット寄りで、スピード域を選ばず姿勢が決まりやすい。荷物運びはコンパクト車体なりの設えなので、重いビジネスバッグを積むときは積載位置の工夫が効くが、都心での軽い荷物運搬なら十分こなす。雨の日のグリップはタイヤ銘柄と空気圧の管理次第で印象が変わるが、軽さゆえの扱いやすさが滑りの兆しを拾いやすく、早め早めに操作が入るので安心感が保てる。音は静かで、アシストの出入りが耳障りにならない。坂ではケイデンスを上げていくと気持ちよく粘り、ペダルとモーターの同期が取りやすい。短距離×高頻度の街乗りにぴったりで、帰り道に寄り道を重ねても疲れにくい。コンパクト車が苦手な人が気にする「落ち着き」は速度域に応じて身につくが、直線を早足で通すよりも角を曲がる楽しさで帳尻を合わせるタイプだと理解して乗ると妙にハマる。私の通勤路では、地下鉄出入口周りの混雑を抜けるスラロームが得意で、朝の人波の中でもストレスなくラインを描けた。「今日はカフェに一軒寄ってからオフィスへ」といった日には、この軽快さが素直にうれしい。

体感差の要点をまとめると、オフィスプレスe-Qは「落ち着きと滑らかさ」、ビビ・DXは「包容力と安心の生活性能」、PAS CITY-Cは「機敏さと軽快感」という三者三様の性格だ。スタートの雰囲気でいえば、e-Qはじわっと前へ、ビビ・DXは背中を押すように、CITY-Cは軽やかに跳ねるように加速していく。ブレーキフィールでは、e-Qのメカニカルディスクが繊細で、指先の指令がそのまま制動力に変わるのに対し、ビビ・DXは街乗り向けの許容幅が広い落ち着いた減速、CITY-Cは車体が軽いぶんスッと止めやすい。坂の登坂印象は、e-Qがケイデンス維持で粘る、ビビ・DXはモードアップで息が合う、CITY-Cは回転を上げると気持ちよく追随する。長い直線では、e-Qが路面の微細な荒れに鈍感で疲労が溜まりにくく、ビビ・DXは座面と重心の安定で姿勢が崩れない、CITY-Cは短い区間を切り刻むようにリズム良くこなす。荷物を積むなら、ビビ・DXの「積んでも変わらない穏やかさ」が一枚上手で、e-Qはビジネス用途の重量に対するフレーム剛性の安心感が強い。CITY-Cは軽量な日常荷物で身軽さを満喫するのが合う。疲れの質も違い、e-Qは筋肉の局所的な張りが出にくく、ビビ・DXは全身の力みが取れる方向、CITY-Cは気持ち的に「走る楽しさ」で疲労感が薄く感じる。夜間走行では、e-Qの表示と灯火類が通勤目線でわかりやすく、ビビ・DXは広い被視認性の安心、CITY-Cは小回りの良さで危険回避が早い。総じて、通勤を核に据えるならe-Q、生活を丸ごと支えるならビビ・DX、街の機敏な移動ツールとして楽しむならCITY-Cがしっくり来る。

一台選ぶ視点として、シューズのまま跨いだときの「初動の呼吸」が重要だ。e-Qは朝一番の硬さが残る脚でも、ペダルとモーターの合わせやすさがあり、数百メートルで身体が馴染む。ビビ・DXは家を出てから職場までの細々した用事をまとめて抱えても、最後まで気分が尖らない。CITY-Cは街での隙間時間を乗り物で埋める楽しさに寄り添い、「寄り道を肯定する」移動体験が得られる。どれもスペックの数字だけでは伝わりにくい差だが、実際に走らせると性格の違いが鮮明だ。私は三機種を同じ朝のルートで乗り比べ、信号三つ分の間に「向いている走り」が顔を出すのをはっきり感じた。結局のところ、必要なのは毎朝の自分に合うテンポだ。落ち着きのテンポならオフィスプレスe-Q、包容力のテンポならビビ・DX、機敏のテンポならPAS CITY-C。どれを選んでも移動は確実に軽くなるが、合うテンポを選ぶと、朝の空気が少しだけ好きになる。その実感がある限り、電動自転車は単なる道具ではなく「一日の始まりを整える相棒」になるはずだ。実際、同じ道でも「今日は余裕を持って走れたな」と感じる日の方が、仕事の入り方も柔らかくなる。

最後に、通勤者としての私のわがままを言うなら、仕事の資料とノートPCを載せて雨上がりの舗装を走る日にはオフィスプレスe-Q、買い出しも送迎も一手に引き受ける休日にはビビ・DX、身軽にカフェとオフィスを縫う多拠点の日にはPAS CITY-Cが気持ちよくハマる。毎朝同じ道でも、求める気分は日替わりだ。だからこそ、いまの自分の生活リズムに重ねたとき、どの乗り味が「らしさ」を後押ししてくれるかで選びたい。電動の力はどれも十分に頼れる。違いを生むのは、あなたの一歩目の呼吸だ。そこで胸がすっと広がる一台を選べば、明日の朝が少しだけ速く、少しだけ穏やかになる。もし試乗できる環境があるなら、同じルートを三周くらい走ってみて、信号待ちで深呼吸したときの気持ちの落ち着き方を比べてみると、自分に合う「朝のリズム」が意外なほどはっきり見えてくるはずだ。

まとめ

今回、平日の通勤と買い物を織り交ぜて都内の生活圏を一気に走り比べた結果、心に残った順で総評を述べる。まず、あさひ オフィスプレスe-Qは「走らせる楽しさ」と「現実的な快適性」が高い次元で両立。700Cの伸びやかな巡航、信号が多い街でも疲れを溜めにくいダイレクトな伝達感、生活目線で整えられたフェンダーやバスケットの作り込みまで、通勤自転車としての完成度が一枚上だった。点数は4.6/5。次点はパナソニック ビビ・DX BE-FD633。積載と安全装備の充実で、毎日を支える安心感が抜群。出足は穏やか、重い荷物+坂の場面でも心拍が上がりにくい。車体重量はあるが、走りだせば落ち着きが前面に出て好印象。点数は4.4/5。三番手はヤマハ PAS CITY-C。軽快で扱いやすく、乗り降りのストレスが少ない。街角のターンや短距離移動のテンポの良さは魅力だが、段差の多いルートや長距離巡航ではタイヤ径の限界が見え隠れする。点数は4.1/5。総じて、毎日の通勤と都市生活のバランスで選ぶならベストチョイスはオフィスプレスe-Q。朝の混雑でも自然体で走り切れる「余裕」をくれる一台だと感じた。おすすめは、「積載と安心第一」ならビビ・DX、「軽快な取り回し重視」ならPAS CITY-C。自分の一週間のスケジュールを思い浮かべて、一番多いシーンに強いモデルを選ぶのが、後悔しない選び方だと思う。

引用

https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/AB6453F56A8C4339BBEB5313E4E9D4BC

https://cycle.panasonic.com/products/vivi_dx/

https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/lineup/city-c/


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